癌になって思うこと。
ガンになって、死というのものの存在を、頭の中のフワフワした実態のないものから、いきなり目の前に現実として突きつけられて約5ヶ月。死の現実は、診断名や検査結果の数字でつきつけられ、手術や化学療法で体感させられ、気持ちの受け皿ができてないまま現実が流れ込んでくるような怒涛の数ヶ月でした。。
これからどうやって生きたら自分は満足して死ねるのだろう?という事を考えさせられました。
当たり前だけど、人は100パーセント死にます。毎日、終わりに向かって生きてるのです。
これまで父や母の死も見てきて、実感としてわかってるつもりでしたが、自身で体験すると全くわかってなかった。
母は膵臓がんで余命3ヶ月を言われて、どれだけ辛かっただろうと、今では本当に身にしみてわかります。
ガンと宣告され、仕事も生活も断絶状態になり、精神も混乱した数ヶ月間。
まだ治療中ですが、だんだんとこの現実を受け入れてます。
だけど、これが受け入れなのか諦めなのか、自分でもわからない。ただ、この漠然とした不安は一生取れないだろうと思ってます。
ガンを経験した人はわかると思いますが、他人に「癌の所、全部取れたしよかったね!これで大丈夫だね!」とか言われても全然大丈夫じゃないです。再発の不安をずっと抱えたまま生きていかないといけない。
ガンになった事のない人に言われたくないわ!と思ってます。オトナなんで表向きにはニコニコしてますが。
これが10年前なら、他人のひと言ひと言に過敏に反応して傷ついていたかもしれません。
周りにガンになってしまった人がいたら、安易に、ガンに負けるな!頑張って戦って!とか言わないでほしい。
本人たちは頑張りたくなくても頑張らざるを得ない状況だし、好きで戦ってる訳でもない。
そして、完治したとしても、本人の心には不安の種がずっと埋まっています。
どうか、その心に寄り添って見守ってくださる事を切に願います。